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2019年07月02日

2019年1月28日〜2月8日◆ガッツだぜ(後編)

これの続きです。

この本の著者エムラン・メイヤーさん。
ドイツの方でアメリカで今、腸内のことを研究なさっている。
この方は内臓、小腸・大腸の中にある微生物が人間を決定しているのではないか?
腸の役割は消化吸収のみではないんだ、と。
食欲から感情まで、実は腹の虫が人を動かしているという説。
なんとなく与したくなる、説得力を持った説。
そういえば度胸のいい人のことを「腹がすわっている」とか、真剣に語り合うことを「腹を割って話す」とか「腹の底から笑う」とか。
腹というのは絶えず人間の人格と深く結びついている。
マイクロバイオームの活動によって内臓感覚も変化していく、という。

正月5日、奥様と京都へ行って京懐石を楽しんだ武田先生。
京都だからいろいろ凝っていて凄まじい。
「カニお食べになります?」「お願いしますわー」
デカいカニでも出てくるのかと思ったら、金沢で仕入れたという香箱ガニ。
小っちゃなヤツ。
あれに味噌と卵を足の部分に混ぜて、とか。
小っちゃいけど濃厚。
内子と外子。
それから伊勢海老一匹。
あれ一匹で1万円ぐらいするのではないか?
それでお味噌汁。
白みそをお餅を入れて作ってくれる。
さすが京都。
意味もなく金粉ばっかりかけてある。
それがまた箏の音色と一緒にアレすると「文句言えなくなる」という。
その一番最初に出た、お猪口一杯の「おじや」。
「最初にお腹を温めてください」ということ。
「懐石」というのはそういう意味。
食べ物がない、貧しいお寺の方が一番最初に石を温めて客人にふるまって「お腹を温めてもらった」というのが「懐の石」と書く「懐石」。
だからお茶碗一杯だけおじやを喰わせる。
それもフグ。
すするだけ。
だけどまず「腸を温めてください」という。
このあたりはやっぱり京都人というのは内臓感覚に訴えてくれる食事の手順。

内臓感覚というのが世界の歴史を変えたという一例。

 一九八三年九月二六日、モスクワ郊外にある掩蔽壕に詰めていたソビエト防衛空軍の若き将校スタニスラフ・ペトロフは、ソビエトの衛星から、アメリカが自国に向けて放った五発の弾道ミサイルが飛来中であるという警報を受け取った。警告音が鳴り響き、画面には「発射」の文字が躍っていたにもかかわらず、彼はそれが誤報であり、事実ではないという決定的な判断を下す。もし彼がそのような状況を想定して設定された「合理的」手続きに従っていたら(他の将校ならそうしていたはずだ)、報復攻撃がさらなる報復攻撃を呼び、まちがいなく数百万人の死者が出ていたところだった。
 当初ペトロフは
−中略−「ほんとうにアメリカが総攻撃を仕掛けてきたのなら、数百発のミサイルが発射されたはずだ」「発射検知システムはまだ新しく、全面的には信頼できない」−中略−と考えたという。
 しかし、本音を告白してもそれほど差し障りがなくなった二〇一三年に行なわれたインタビューでは、ペトロフは、警報が誤りだという確信がないまま、「奇妙な内臓感覚に導かれて」判断したと述べている。
(173〜174頁)

かくのごとく腸内細菌が世界を救うということがある、という。

腸内細菌を産まれたての新生児はどこから取り込むかというと、お母様の産道から。
肌にくっ付けてくる。
だからお母様と同じ腸内細菌をまず赤ちゃんは持つ。
お母様の産道とか、そのあたりの細菌を全身に浴びて、それを我が身に取り込んで、最初の腸内細菌とするそうで。

人間が普段の暮らしの中で持つ感情というのは、実は脳が醸し出す気分ではなくお腹の中、腸の気分。
それがその人の表情となって顔に現れるのではないかという説。
これは腸の中に住んでいるマイクロバイオームという、たくさんの腸内細菌の不調が情動、気分に影響しているのではないか?と。
こう言われると何かハッとする。
例えばパワハラなんかで「若い方にとんでもない指示を出した」というような方がいらっしゃる。
何かやはりお顔を拝見していると「ちょっと食事に偏りがあるのかな?」という方が多い。
誰とは言わないが、たとえばウチダという方がいらっしゃると。
あのお年で「用意しろ」と言った物に偏りがある。
メニューを見たら出ていた。
それからヤマネという方はもうはっきり偏りがある。
もしヤマネという方がいらしゃれば、だが。
それからツカハラさん。
ちょっと肥満が先行している。
人の指導は痩せてからでいいのではないか?
例えばの話。
トランプくん。
もうちょっと絞ったほうがいいかな?
美味しいものを召し上がっている。
「北の将軍さま」のお顔がどんどん大きくなられる。
ああいう方も「腸内というのが世界中を揺り動かしているのではないかなぁ?」と思ったりする。

現在のところ科学的な証拠はないが、腸や腸内細菌が脳に送るシグナルの激しい流れが、その過程で放出される神経伝達物質とともに、夢に情動的な色合いを付与するのに一役買っているのかも知れない。(195頁)

脳が眠っている間も腸は蠕動運動等々で活動している。
「懐石料理喰った」といって金箔を消化している。
そういう代謝とかを懸命にやっている時に内臓が消化に追われると、追われる夢を見ちゃう、という。
それから何かに遅れそうになる、というのは腸が「朝の排便にはとても今日中には済みそうにない」とかというのが「遅れる」という言葉と結びついて脳に夢となって現れるのではないだろうか、という。
夢と消化吸収が結びつくんじゃないかな?と思ったら去年、(南)こうせつさんとかと博多でコンサートをやった武田先生。
そうしたら前日に主催者がおごってくれた。
「博多の肉、喰おう」と「熊本の美味い肉ありますから」というので行ったのだが、その肉屋がすごい。
前菜がしゃぶしゃぶ。
そしてメインがすき焼き。
それでサービスもあって、一切れの肉の切り方が厚い。
奥様の指導の下「65歳以上、肉喰わなくていい」という家庭の掟の下に生きている武田先生。
しゃぶしゃぶはともかく、メインのすき焼きが始まったら生卵を落として絡めて喰うと美味くて。
200(g)のところが400(g)ぐらい喰っちゃったのだろう。
宿に帰って寝たら腹が重たい。
肉を消化分解できなくなっている。
それで眠ったら夢を見た。
その夢がすごい。
牛のモモが武田先生の腹に乗っている夢。
ちょっと悪夢の話のうちに終わってしまったが「夢と内臓は案外結びついているんじゃないかなぁ?」と思った実体験。

腸と脳と心の複雑な相互作用には、マイクロバイオータが重要な役割を果たす。この種の瞠目すべき発見は、内臓反応や内臓感覚、およびその双方が気分、心、思考に与える影響という面で、目に見えない生物が果たす役割をめぐって、画期的な見方を生み出したのである。(143頁)

 さまざまなストレスによって、一時的に腸内微生物の構成が変わることは知られていた。特にストレスを受けた個体の便には、乳酸菌の減少が見られる。しかし、別の分野で得られたデータによれば、ストレスの影響は、腸内微生物の構成の一時的な変化以外にも見られる。ストレス下で分泌される化学物質ノルエピネフリンが、心拍を速め、血圧を上昇させることは以前から知られていた。(155〜156)

すると腸内は炎症や潰瘍、傷ができてしまう。
これを起しやすい環境となる。
この炎症というのはよくないようだ。
後々にガンの元になったりする。

むろん腸からも抗微生物ペプチドを分泌してディフェンスに一生懸命まわる。
この戦いの模様は腸から直ちに「気分」「夢」などの手段で脳へ打電されているようだ。
それでバランスを取ろうとする。
だから何か重たいものが心にあるとか、夢なので変な夢ばっかり見るとか。
どうも気分が上向いていかないとかというのは、ある意味で「内臓の不調をあなたに訴えていますよ」と。
これは一つキモに銘じておくべきことだろう。

幸福なときにはエンドルフィン、配偶者や子どもに親愛を感じているときにはオキシトシン、何かを望んでいるときにはドーパミン、などというように、おのおのの情動と、その基盤をなす脳のOSが、情動の種類に応じた科学的シグナルによって働きかけられることを見てきた。(159頁)

脳からの受信機は右脳にいっぱいある。

成人後には一九万三〇〇〇個ほどの直感細胞を持つ。(185頁)

エコノモ・ニューロン(本によると「フォン・エコノモ・ニューロン(VENs)」)と呼ばれる内臓からの連絡を受け取るニューロン、アンテナがある。
右脳はやっぱり「感覚脳」と言う。
最近これが「直感細胞」と呼ばれている。
(本には「このニューロンをわかりやすく『直感細胞』と呼ぶことにしよう」とあるので、別にそう呼ばれているとかっていうことでもない)

 直感細胞を動員する高速コミュニケーションシステムは、複雑な社会組織のもとで暮らすようになった哺乳類に、内臓感覚に基づく判断を行なう能力を付与した。(186頁)

人間の情動を操って「この人と会いたい」とか「今夜誘っちゃおうかな、デートに」とかという決断を下したり「よし、次のボール打とう」とか「勝負だ!」「コイツは悪いヤツだ」とかという直感を判断し、これを左脳の方、隣の方へ打電する。
だから第一印象を決定するのは実は腸。

 医師としての私の経験からいえば、女性の多くは、男性に比べ、自分の内臓感覚に耳を澄ませ、直感的な判断を下すことに長けているように思われる。(189頁)

年齢と共に腸内細菌のバランスがおかしくなりがちで、そうすると直感がきかなくなる。
それが「オレオレ詐欺」ではないか。
それがこの人の本を読んでいての面白さ。
老人はやっぱり食事の傾きというのは大きい。
オレオレ詐欺にひっかかる。
あれほど何べんも警告してもダメなのは内臓感覚の不調かも知れないという武田先生の説。
だから腸内の微生物で操っている。
その中で敏感なはずの女性が引っかかってしまうというのは、腸内の、内臓の不調そのものが引き金になっているのかも知れない。
だからそこまで調べさせて欲しい。
前にも「もう全部調べさせて欲しい」と言ったことがある武田先生。
サルの頃から「協力する」ということだけで、生存競争を生きてきた人類という中で、我が子を殺す母性というのがもしあるとすれば、絶対にどこかに何かがあるはずで、その悪魔の正体を追求するためにぜひ、罪を犯した方にも協力して頂ければと。
腸内細菌を調べるとか、そこまで一回分析してみるというのも。

前に一回だけ(『今朝の三枚おろし』で)内臓を取り上げたことがある。
これもどんどん新しい説が出てくるのだろう。
前に(スヴァンテ)ペーボ博士の説で「ネアンデルタール人と現生人類が交雑している」という「それが遺伝子に残ってる」という話をした。
ネアンデルタール人は私たちの先祖か
あの後の研究が出た。
本のタイトルもすごく興味津々で『交雑する人類』という。

交雑する人類―古代DNAが解き明かす新サピエンス史



これがまた電話帳ぐらい厚い。
エムラン・メイヤーさんの『THE MIND-GUT CONNECTION』。
この本もそうだが。
嘆きのメモが取ってあるが「話がしつこい」とか書いてある。
もう延々と説明する。
それで何か一つ「武田鉄矢の仮説」みたいなのを入れないと、ちょっとみなさんも飽きて持たないのではないかと思った。
母親が子を虐待する等々の人類の逆を行くようなことがあった場合は実は「腸内細菌のせいでそうなったんじゃないか」とか。
そういう仮説を折り込みながら説明している。
最も知りたいのは「それじゃ内臓微生物を健康のためにどうやって私に招くか?」。
今、毎日少しずつヨーグルトを必ず食べるようにしている水谷譲。
言われたのは「食べるのはいいことなんだけれども、同じ種類をずっと食べ続けないと、ちゃんとした微生物が育たないよ」と言われて。
安売りの物を「これでいいや。これでいいや」と別々のものを食べてしまっていたので「じゃ、同じヨーグルトを食べなきゃいけないんだ」と思って。
ヤクルトなんて「何とかシロタ株をいっぱい入れました」みたいなのを結構飲んでいるが便が固い武田先生。
餅の喰いすぎが原因か?

内臓微生物を健康のためにどうやって人類は増やしていったか。
著者は言う。
これはとても大事なこと。
なぜ草原のサルだった現生人類は生き残ったのか?
一つは雑食性。
何でも喰った。
木の実から草、草の根。
これは海に一回出ている。
海のそばに住んだから直立歩行が上手になったんじゃないか?という説もあるくらい。
これはよい説。
「海がサルに直立歩行を教えた」という。
海に入ったら波をかぶっちゃうから立ち上がった。
水中なので負荷なく歩ける。
そこでワカメとか貝を喰ったヤツがいる。
海が歩行器となってサルを二足歩行に変えた。
そのあたりから集団と化して「狩りをするサル」になった。
ケモノを襲って、シカ、ウシ、トリを喰うようになった。
すごいのはマンモスまで襲って喰い始めた。
新しい食べ物を次々に増やしていった。
ということで腸内の微生物を増やしたことが人類に大きく貢献したかと思えば、これはなかなかの説。
それで長寿を得て、長寿ゆえに今、新しい病に遭遇しているが、これも寿命が延びたせい。
我々は腹の虫をどう取り込み、どう守り、どう育てるかという。
そういうところに来ているのではないだろうか?という。
でも、これに関してはこの本に書いてあったことをみなさんに紹介しようかと思ったが、健康につながる食事というのは安易にオススメできないところがある。
昔は「魚を食べろ」と言われて今は「いや、肉だ」と言われて「どうなんだ?」と思う水谷譲。
個人個人で相当分かれるのではないか?
ガイダンス、外枠のみで具体的な何々はオススメしない。

腹の虫というやつ、それをどう守り、どう育てるか?という。
その話に収斂していくということ。
エムラン・メイヤーさんが終章でおっしゃっていること。
「内臓微生物の多様性を守れ」
コレステロールも善玉とか悪玉とかがいるが、悪玉もいないとダメなんだそう。

乳酸菌、ビフィズス菌を求めて、脂肪分の少ないお肉。
これは一般的な概要だけ。
具体的には言わない。
それから「有機のものに目を向けよう」と。
そして「あまりにも綺麗に殺菌されてしまっている食品というのは不味い」と。
いわゆる「発酵食品」。

キムチ、ザワークラウト、昆布茶、味噌など、現在でも簡単に手に入る食品も多い。(286頁)

これは世に喧伝されている通りの健康食品。
その次に、やっぱり「食べ過ぎない」。
これはつらい時がある。
大事なことは「腹をすかせること」。
日本人のこの「腹八分目」は欧米にはないらしくて。
「腹が鳴る」
これはとても大事なことで。

 胃に内容物が残っていないときには、食道から結腸の末端に向かって、ゆっくりと力強く移動する高振幅の収縮が周期的に生じることを思い出してほしい。それとともに、膵臓と胆嚢は同期して消化液を分泌する。(288〜289頁)

「腹減った!」という。
この時に小腸から結腸に向かって腸内細菌を吐き出す。
これによって微生物の新旧が入れ替わる。
お腹がすくことによって。
お腹が鳴るというのは緞帳が一回閉まるようなもの。
一幕目が終わって、消化吸収で。
それで内側の準備が出来て幕を開けると物が入ってくるという。
だから二幕目が始まるという。
これが飯を喰いすぎると幕がつっかかって降りなくなる。
それが悪いらしい。
そしてこれはよっぽど指導者の方がいないと危険だが、断食をすると脳と腸の連絡網がリセットされる。
入ってこないので。
この「リセット点検」というのがいいらしい。

ストレスを受けているあいだや、不安、怒りを感じているときには、腹に食物を詰め込んで事態を悪化させることは避けるべきだ。(290頁)

喜怒哀楽が激しく渦巻く時、特に「怒り」と「悲しみ」。
そういうものが激しく渦巻いているんだったら、情動を優先して他の作業をさせるべきではない、と。
悲しいのに飯を喰う、怒っているのにご飯を食べるたりすると、二つやることが増えて、腸がものすごく混乱する。
あんまりムカッ腹が立ったら「もう、飯喰わなくていい」と。
「かえって悪い影響を腸に与えてしまうよ」と。
楽しく食事ができないと、腸には大きなストレスになってしまう。
そういう「感情と飯の味」というのはリンクしている。

エムラン・メイヤーさんという方は後にちょこっと書いてらっしゃるが、滅茶苦茶日本食を褒めてらっしゃる。
その腹八分目という言葉に対する驚きとかもおっしゃっていて(そういった記述は本の中にみつからず)ちょっとエコ贔屓みたいな感じで日本と日本食はりスペクトなさっているので。
あまり皆さんに具体的に言うよりは、エムラン・メイヤーさんの考え方、科学的な考え方をご紹介した方が参考になるのではなかろうかというふうに思っている。
このエムラン・メイヤーさんが日本の食事に関して「これは素晴らしい」と言ったのはたった一言にまとまる。

日本食のもう一つの重要な要素は、食事の準備から食べるときの作法に至る、審美的側面への配慮である。(299頁)


posted by ひと at 10:05| Comment(0) | 武田鉄矢・今朝の三枚おろし | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年1月28日〜2月8日◆ガッツだぜ(前編)

何か月か前の『(今朝の)三枚おろし』で「情動」という回があった。
これのことかと思われる)
無意識というのは人間の体の中に宿っていて人間を動かしている、と。
例えば大坂なおみ選手。
「相手コートにそのボールを打ち返そうか?」
そういうことを彼女が今、判断し行動に移そうとする。
で、ラケットをそのように動かす。
彼女はインタビューに答える時、その瞬間の出来事を「セリーナが左へ動いていたので、私は右へ走ってギリギリを狙った」と分析すると思う。
こういう話は実は逆。
これは大坂なおみさんがそう動いたことを、後々脳が記憶していて、言葉にして言っているというワケで。
なぜかと言うと、脳で判断して体が動いてラケットを振るまで200キロ近いスピードのボールを打ち返そうと思った時には脳が手に「動け」と命じるのに0.5秒。
「わかった、動くよ」と言って手が打ち返すという動作に入るのに0.5秒。
(合計で)1秒かかる。
みなさんもご存じのように9.9秒と10秒では100mの場合は体一つ分以上の差があるわけだから、スポーツの世界で「1秒」というのはもう、重大なタイミングの遅れ。
だから「体の方に宿っているものが私達を動かしている」というのは、もうスポーツの世界では当たり前の説。
だから野球選手はウソばかりついている。
「『いい球が来たなぁ』と思ったんで力いっぱい打ちました」
そんなことができるワケがない。
力いっぱい打ち返した後「あ、いい球が来たなぁ」と思うのが人間。
こういうふうにして実は心というものは体が動かしている。
体でも「どこか?」というのが今回のテーマ。
人間を本当に動かしているのは脳ではない。
脳も実は体の底の部分に動かされている。
実はこれは今、「内臓ではないか」と言われている。

小腸や大腸が実は人間を動かしている頭脳なのではないか?と。
そういえば絶妙な言い方で日本の武道では「丹田」と言う。
この丹田説が実は当たっているのではないか?
そして驚くなかれ。
体にこめられた情動というのは私達の「気分」「怒り・喜び・悲しみ」これさえも内臓の気分なのではないか?と。
「ああ、何か今日は体が重いなぁ」とつぶやくが、つぶやいているのは実は脳ではなくて内臓がそう思うから言葉になって「体重い、今日は」とか。
それからもっと言うと「この人、好きなタイプ」。
それを考えているのも実は内臓なのではないか?

人間の腹、丹田に住んでいる「腹の虫」で気分が決まる。
恋もまた内臓、しかも大腸小腸が決めていることではないか?と。
「虫が好かない」とかと言うが、実は「お腹」で決定していることではないか?ということで。
実は大腸小腸の「内臓」に思いがあるのではないか?という新説だが、かなり説得力があるのでみなさんにご紹介しようと思う今週、来週。
エムラン・メイヤー『THE MIND-GUT CONNECTION』
(番組内では一貫して「GUT」を「ガッツ」と発音しているが「ガッツ」は複数形の「GUTS」で、この本のタイトルに使われているのは単数形の「GUT」)

腸と脳──体内の会話はいかにあなたの気分や選択や健康を左右するか



「脳みそと内臓の連絡網」という。
「三枚おろし」的には「ガッツだぜ」。
誰かの歌みたいな。
腸内に宿る「億」を超えて「兆」の単位の微生物。
これが実は脳と綿密な連絡を取り合って「あなた」を営んでいる。
だからあなたは腸内に住んでいる微生物の「総称」のこと。
変な言い方だが、好きな人は舐めたくならないか?
世界中の言葉で「食べたいほど可愛い」という言い方がある。
世界中である。
「食べたいほど君は可愛い」という。
現実化すると恐ろしい表現。
でも実は腸内に住んでいる微生物に対する接近なのではないか?と。

 腸は、他のいかなる組織をも凌駕し、脳にさえ匹敵する能力を持つ。−中略−この第二の脳は、脊髄にも匹敵する五〇〇〇万から一億の神経細胞で構成される。(18頁)

「ガッツ」の意味。
「ガッツ石松」さんの「ガッツ」。

gutという用語は、@腸 A胃腸 B消化管 C消化器系 D内臓全体(306頁)

内臓の代表が「腸」。

人間の腸は、平らに延ばせばバスケットボールコートほどの広さになり(20頁)

これが代謝、それから免疫、更に脳を育て健康を維持する。
コントロールするのもこの腸ではないか?というふうに。
これはみなさんもコマーシャルなんかでよくお耳になさると思うが「腸内フローラ」という微生物がこの筒の中に住んでいて食物を分解して細菌、菌類、ウイルス、シグナル分子等々を作り直して人間に与えている。

よく「コラーゲン体にいい」とか言っているが、あれは別にコラーゲンが口の中から入って腸内にたどり着いても、腸内の中でこの微生物たちが分解してコラーゲンを作らないとコラーゲンにならない。
内臓の中で作る、ということ。
だからお肌がツルツルになるコラーゲンが皮膚に表れるためには腸内の調子がよくないとコラーゲンができない。
「コラーゲンは摂取しても効果ないよ」ということを聞く水谷譲。
それは「その人の内臓が整ってなかったら摂取してもダメだよ」ということ。
ただ、これは効果がないと全然言えないのは「私、コラーゲン飲んでるもん」というのが脳から腸に伝えられて、腸が「コラーゲン作ろうかな。わりと普段より多めに」なんていう、そういう腸内の健康の部分というのがあるのではないかと思う武田先生。

この本は言葉はいろいろ難しい。
そういう働きのことを「マイクロバイオーム」と言うらしい。
このマイクロバイオームという働きを通して、その人に必要な栄養素を作ったり、タンパク質を作ったりホルモンを作ったりする。
神経伝達物質なんかも考えてみれば腸が作る。
このマイクロバイオームという、この働きの中で「気分を作る」という。
気分がお腹でできる。
お通じが良かったりして内臓が軽くなると「ほんと今日、気分軽〜い」みたいになる水谷譲。
だから「お通じ」というのはやっぱり「大便」というぐらいで、腸内フローラたちが書いたお手紙が「大きなお便り」となって届く、という。

ジジイになると便の話ばかりする爺さんがいる。
お亡くなりになる前の三國連太郎さんがそうだった。
西田(敏行)さんと世間話をするのだが、三國さんはずっと便の話。
それがもう、ひたすら「大きいのが出た」という喜び。
名俳優。
それは何でか?というと、大きな便りが三國さんの演技力を支えていたのではないかというと、単なるシモ話ではない。

この腸という所で神経伝達物質も作られる。
例えばセロトニン。
腸で食物から分子までに砕かれてホルモンとしてその食物から組み立てられる。
その神経伝達物質の一つがセロトニン。
必要な時に腸からシグナルとして脳に送り込む。
だから生産者は腸。
驚くなかれ、このセロトニンが実は熟睡、やる気、母性愛、そういうものを作っている。
チャンスがあったら今度、「米倉涼子に勧めよう」と思う武田先生。
あの人は強い女で「私、失敗しませんから」と(いう役が)多い。
次のキャラクターで「セロトニン」というのはどうかなぁ?と思う。
子育てしているクマというのはセロトニンの塊。
子育てしているクマの天敵は誰かというとオス。
子を殺しに来たオスと立ち向かって殺す。
だから愛情のホルモンでもあるし防御のホルモンでもある、という。
これは米倉涼子にピッタリ。
拳銃で敵を撃ちながら授乳しているとかがいいのではないか?
今、おっぱいを隠したまま授乳できるヤツがある。

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ああいうのに我が子に乳を飲ませながらバァン!バァン!と撃っているというのは。
「泣くんじゃない!」とか言いながら。
いかがでしょう?
検討してみてください(米倉涼子さんの)事務所の方。

脳内伝達物質は腸で作るのだが、その気分を作り出す腸内の伝達物質の中には「何を食べるか」「どんな人と付き合うか」など、気分や意志、これはまず腸で醸成、発酵されるのである。
言葉にならなくて。

すべての腸内微生物をひとかたまりにすると、重さは九〇〇グラムから二七〇〇グラムのあいだになり、およそ一二〇〇グラムの脳に近似する。(23頁)

彼らは30億年前にこの地球に生まれた。
(本には「およそ三〇億年にわたり、地球上に存在する生命は細菌だけだった」とあり、この部分を曲解したものと思われる。文章から考えると「30億年」前に出現したわけではなく、「30億年」間、他の生命が存在していなくて細菌しかいなかったということかと思われる)
多細胞生物としいて腸内に入ってきて住み着いた。
パラサイトではない。
寄生だけではない。
自分の食糧も人間が口から入ってきたヤツから摂るが、栄養を作って与える、という、
でも最大のこの手のヤツは「ミトコンドリア」。
コイツはすごい。
こいつもどこかから入ってきた。
それで細胞の中に住み着いて。
コイツはエネルギーを作る。
ミトコンドリアは私達の体内の細胞全部にいる。
何個いるかわからないぐらいいる。
多細胞生物として腸内に彼らは住み着いている。

老人方お聞きになってください。
(武田先生と)同世代の方、団塊の方。

 今や、脳と腸の相互作用の阻害は−中略−アルツハイマー病やパーキンソン病などの脳疾患にいたる、さまざまな健康問題を引き起こすと考えられるようになった。(297頁)

プラス「腸の大事さ」みたいなものがすごくわかる。
腸内微生物の健康。
これが一番大事。
腸内の微生物さえ健康であれば、パーキンソン病、アルツハイマー。
あるいは避けられるかもしれない、という。

腸内微生物の健康は何によって支えられるかというと、これは「食物」。
食物は代謝物質に変換され、血流に乗って脳や組織に渡される。
何が必要かは腸と脳が語り合って決定していく。
ちゃんとコネクションがあって、腸と脳は語り合っている。
脳は顔面で表情を作り、その筋肉を動かしているのは実は内臓。
(本には「脳は顔面の筋肉とともに消化器系に特徴的なパターンでシグナルを送り」と書いてあるので、内臓が表情の筋肉を動かしているのではなく、脳が表情の筋肉を動かすのと同時に消化器系にもシグナルを送っているということらしい)
だから考えてみるとすごい。
顔の筋肉が動いて表情を作る。
例えば「落ち着かない」「イライラする」「腹が立つ」。
これは全部内臓の表情であって顔の表情ではない。
そう思うとわかりやすい。
落ち着かない、イライラする、腹が立つ。
それはそのまま内臓の表情なのである、と。
情動の激しい動きは内臓、小腸大腸の方の表情というのはすぐに内臓全体に伝えられて、すぐ上の胃の収縮、胃酸の分泌等々を促すという。
悲しめば胃と腸はバッと膨らむらしい。

「我慢」はどこにあるか?
我慢の住みかというのは内臓なのではないか?
だから我慢を表現する時、必ずどこかから伝えられたみたいに。
我慢する時に腹に力を入れるという水谷譲。
だからセリーナ・ウィリアムズと戦った時に大坂なおみさんが自分に向かって言った言葉は「我慢」。
この日本語の「我慢」というのが最もわかりやすい内臓感覚の表現の一つではなかろうかと思う。
そのあたり、腸内微生物の世界は他人事ではない。
今日も私達のお腹で繰り広げられている、とあるドラマ。

我慢を命令してくる者は実は内臓に宿っているのではないだろうか?と。
「腹が立つ」「ご立腹」
博多弁では腹が立つことを「腹かく」と言う。
「怒っているか?」を「腹かいとーと?」と言う。
日本は肉体言語が多い。
「腹の虫がおさまらない」とか。
そういうふうにして考えると日本人は直感的に内臓感覚の重大さを知っていた文化の持ち主なのではないかなと思う。
短気な人には短気な情動の腸内微生物がだんだん増えていく、という。
ますますその人を短気な人にしていく、ということ。
人格と呼べるものは、実は腸が支配しているのではないだろうか?と。
ひそかに腸は脳に言葉をかけているようだ。
迷走神経を介して消化管を伝い、腸を含む内臓感覚の思いは脳に伝えられる。
ところが腸というのは脳の介入なしに仕事をしている。
「ご飯食べた、消化しよう」という決心は首から下が担当して、胃に落ちて、小腸大腸が待っている。
「これはいる、これはいらない」で仕分けをして、タンパク質なんかに組み替えていくというのは考えてみれば小腸がやるワケだから。
よくやってくれている。
自分で自動的にやっている。
味覚についてもだが。

 驚いたことに、味覚に関与する分子やメカニズムのいくつかは、口内のみならず消化管全体に分布していることが、最近の研究からわかっている。甘味と苦味の味覚レセプターに関しては、まちがいなくこのことが当てはまり、事実、人間の消化管には二五種類ほどの苦味レセプターが発見されている。(67頁)

イライラした時、甘いものをポッと口に放り込むとすごく安堵する。
「何か無償に甘いもの食べたい」という時「それ、疲れてんだよ」とか言われる水谷譲。

甘味レセプターが、(炭水化物が消化されると生成される)グルコースや人工甘味料を検知すると、血流へのグルコースの吸収、および膵臓のインシュリンの分泌が促進される。(68頁)

例えばご飯を食べたら、ご飯の中にも甘味がある。
それを吸収して甘味を取り出すのに時間がかかる。
だから「飯喰った」から「甘いのが入ってきた」まではタイムラグができてしまう。
ところがチョコレートを一枚喰うと腸の方に行った段階で「甘い」というのを脳に知らせるという、
それが腸の中に味を知るレセプターがある意味ではないか。
それで甘味というのは今、ありふれているが昔は貴重な味だった。
急いで蓄えるために別のホルモン分泌が必要なので「来た」と知らせることで甘味はすぐに満腹感を生む。
それが脳に安心の信号を打電する、という。

韓国で有名なキムチ。
日本で有名なのはわさび。
それら香辛料の特徴は「辛い」。
何でそういう香辛料が必要なのか?
カレーライスとかたまらなく喰いたくなる、という。
それは食欲を増進する。
腸では甘味と逆で警戒を呼び掛ける味。
「飢餓ホルモン」というのが出る。
(本によると「飢餓ホルモン」が出るのは「苦味」)
「ダメだ、喰いモンが無くなるかもしれない!いっぱい喰っとこう」になる。
だからもう一杯入る。
腸の中に脳に安心を与えて「警戒を解け」という甘味。
そしてそれが入ってくると内臓は飢餓ホルモンを出して「いっぱい喰っとこう」という。
それが食欲増進のために刺激剤として生魚の下に潜ませたり、キムチとして。
「美味しいからたくさん食べたい」というだけではない。
「おいしい」というのは飢餓ホルモンによる食欲の刺激が前提。
あなたがお母さんで、子供がチョコレートばっかり食べていると取り上げて怒る。
それは脳が満足して他の食物を摂らなくなるから。

小腸の方は入ってきた食べ物を分解して吸収して、様々な栄養素を作って。
大腸は仕分けする。
「これまだ使おう」というのと「もう便にして捨てよう」という。
そこにたくさんの腸内菌が住んでいて、そいつらが命を助け、そういう腸の中の菌の性格を話している。

米倉涼子さんに例えたので、もう米倉涼子さんしか浮かんでこないが「セロトニン」。
これはお母さんが赤ちゃんを産んだりなんかすると急に体の中に増えて「この子を守ろう!」とか。

この間も正月で『はじめてのお使い』を見ていて泣いた武田先生。
はじめてのおつかい 爆笑!2019年大冒険スペシャル|日本テレビ
子供が一生懸命物を買ってきて、お母さんが玄関でギューっと抱きしめるというのは。
あれこそセロトニン。
米倉涼子さんにやって欲しい役。

そのセロトニンこそは腸のやる気を作る。

毒素は、セロトニンを含有する腸細胞が備えるレセプターに結合する。すると、消化管は「おぞましい嘔吐と嵐のような下痢」モードにただちに切り替わる。−中略−腸が一定量以上の毒素や病原菌を検知すると、消化管全体に排泄指令を出し、両端から毒素を排除しようとする。(77頁)

脳の決意ではない。
腸が決める。
「何か気持ち悪い・・・」とえづくのは後。
吐き気というのはまず、吐く気分を作ってから。
吐く人は必ず言う。
「吐くかもしんない」
腸がしっかりした考えを持っていないと「吐く」という行為はできない。

セロトニンの防衛力の兵士こそが腸内に住む腸内微生物の大集団。

 およそ四〇億年前、地球上の生命は単細胞の微生物、古細菌として誕生した。(97頁)

1千種類ほどで兆の数で脳と同じ役割で腸の中に住んでいるという。
数百万年前から人間と共生をしていて、ずっと私達の腸の中で活躍してくれているという。

微生物は、必須ビタミンを提供したり、−中略−私たちの身体には未知の化学物質(外因性化学物質)を解毒してくれる。さらに重要なことに、これらの微生物は、私たちの消化器系が自力では分解、吸収できない食物繊維や複合糖類を消化し、微生物のこの働きなしには便となって排出される以外にない、相当量のカロリーを提供してくれる。(102頁)

腸内フローラの一群は指紋と同じで一人一人違う。
将来は腸内のこの微生物を調べることで本人と特定できたりするという。

前に寄生虫の話をした。
あれと同じこと。
「トキソプラズマ」が猫に取り付いて。
「心を操る寄生虫」のことかと思われる)
子供を産むために便で外に一回、トキソプラズマが出る。
外に出ると今度はネズミに取り付く。
そのネズミの中に自分の子供の卵をいっぱい産み付けて、ネズミの脳に潜り込んで猫の前に行くように仕向ける。
猫に喰われることによって、またトキソプラズマが猫に入る、という。
これは時折人間にも侵入することがあるので、お子様をお持ちの方は猫に関してはお気を付けください、という。
そんな話だった。

腸内微生物。
これは寄生虫ではない。
内臓が脳に命令をしてていることに思い当たる節がたくさんあるという水谷譲。
消化吸収だけではなく、食欲とか感情まで実は「腹の虫」が動かしているのではなかろうか?というエムラン・メイヤーさん。
この説が意外と当たっているような気がする。

この前ちょっとお通じの調子が悪かった水谷譲。
ある人に「何か機嫌悪いの?今日」と言われた時に「あれ?私気にしてなかったのに、何か顔に出てんのかな?」と。
「表情に出ているんだな」
と思った。
腸が、内臓が「表情をつくる」というのはすごく思い当たる。

posted by ひと at 09:49| Comment(0) | 武田鉄矢・今朝の三枚おろし | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする