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2015年に出された本なので、発達障害関連の用語などはかなり変わってきているので今は使わなくなった用語なども散見されるが、内容的には多分、今も状況は変わらずかなとは思う。
序章のタイトルがまず「あの天才はアスペルガー症候群だったかもしれない」っていうクソみたいな感じで。
「だったかもしれない」し「ではなかったかもしれない」ワケなのに、そんなもんをいちいち書かれてもな。
最初はポジティブな内容から始めたいみたいなことかな?
で、この序章の中の一文
しかし、当然のことながら、アスペルガー症候群の人のほとんどは天才ではありません。(18頁)
うん。
それをデカデカと本の一番最初にでも書いておいてくれるか?
天才がたまにいることよりも、天才でもなんでもないヤツが大勢いるっていう事実の方が重要だと思うんだけどな。
精神科医の米田衆介氏は、その著書の中でアスペルガー症候群を、「悪気がないのに他人を不愉快にしてしまう病気」であり、「ふつうになれないかわいそうな人たちではなく、『かわいそうなふつうの人たち』と共存し、折り合いをつけるために全力をあげている異質な人類」と述べています(74〜75頁)
どこかで見かけたけれども「自分も他人も不幸にする障害」って言葉もあったな。
アスペルガー症候群は、他者への関心が薄く、他者の心を想像する力の欠如が一つの特徴です。ですから、相手の心を傷つけるようなことを悪気なく言ってしまい、「いやな子」という印象を与えやすくなります。そのことが自分に跳ね返って「生きづらい」環境を自らつくってしまいます。人を不愉快にさせやすいという困った特性が、周囲の「応援したい」という気持ちを損ねやすいという二重の意味での難しさがあります。(84〜85頁)
そうなんだよねぇ。
私も子供の頃から多分、周囲にすごく不愉快な思いをさせまくってきたんだろうなぁというのが今ならわかる。
でも自分がつらくて何が起こってんだから全くわからない状況で、それに気づくなんて無理だし、気づいたところでどうにもできないし。
発達障害に限らず「弱い立場の人」「困っている人」が性格がいいとかかわいげがあるとは限らないっていうか、むしろその逆ってパターンが圧倒的多数っていう。
気の合う仲間、話し相手を求めないので、極端に年上、年下の人と関わるなどの特性もあります。(90頁)
別に気の合う仲間を求めないってことでもないし、話し相手を求めないってことでもないけれども、年下はともかく年上の人といた方が楽だよねぇ。
一番難しいのはやっぱり同年配だよねぇ。
私ぐらいの年だと同年配の人は子供だの孫だのがいるから話がまるっきり合わないってのもあるけれども、子供の頃から同じ年の人達とは上手くやっていくのは難しかったよねぇ。
凄く年が上の人達は圧倒的に優しいからね。
そりゃあ楽だよね。
アスペルガー症候群の人にとって自己認識スキルとは、まず自分がアスペルガー症候群であるという認識を持つことと言えます。そうすると、一歩引いて自分を見ることができます。自分の能力のかたよりを認識し、自分の得意な能力を伸ばしていこうと考えれば、自ずと自尊感情が生まれるのではないでしょうか。(127頁)
発達障害の診断が出る前は自尊感情が低くて、診断が出たら自尊感情が生まれたみたいな人を一人も知らんけれども。
私が知らんだけかも知れないけれども。
実際、得意な能力を伸ばすことができれば自尊感情とやらが生まれるのかな?
そんなヤツも見たことないけどな。
まあ、そんなのも所詮は子供のうちとか凄く若いうちに診断が出た人限定の話だよな。
私みたいに年を取ってからだともう何か伸ばすとかそんな状況じゃないからな。
本の最後に付録として「自閉症スペクトラム指数(AQ)日本語版」とやらが書いてある。
で、設問に対して合計が33点以上だとASDの可能性があるということで。
まあ、私はとっくにASDの診断が出てしまっているけれども一応やってみた。
結果は!
36点でした。
この本はアスペルガーの人自身が読んで何か役に立つとかっていう内容ではなく。
周囲の人がアスペルガーがどういうものかを理解したり、どう対応したらいいかを知るっていう種類の本。
言葉遣いなんかも難しくないしわかりやすい内容かなとは思う。
この本を一冊読んだぐらいで、なんでもかんでも上手いこといくようになるってことも無いだろうけど。