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2017年05月10日

発達障害当事者研究―ゆっくりていねいにつながりたい

発達障害当事者研究―ゆっくりていねいにつながりたい (シリーズ ケアをひらく)



発達障害者(綾屋紗月さん)が発達障害について書いた本。
初版が2008年なのでちょっと古い本だけど。
まずタイトル(副題?)に「ゆっくりていねいにつながりたい」ってのがあって、その時点で「ダメかも知れない」って思った。
で、実際に読んでみて、発達障害者には他人と関わりあわないとつらいタイプとそうでないタイプがいるのだが、著者は前者、私は後者っていう。
しかも共著者の熊谷晋一郎さんと「つながっている」ってのを後から知って「ああ・・・」って感じで。
内容は他の発達障害者自身が書いた本ともそれ以外の人が書いた本とも大幅に異なる感じ。
綾屋さんが自分で「こういうふうに感じている」「それをこう解釈している」みたいな内容。
それが、大部分が私の主観とは異なるので、共感できる部分が全くないってことはないけど、ほとんどなかった。
発達障害者も障害特性などがピンキリなので、彼女と共感できる部分が多いタイプの発達障害者もいるんだろうとは思うけど。
私は合わないね。ってことで。
彼女は「聴覚優位」ってことも私とは合わない部分が多い理由の一つかな。
私は「視覚優位」なので。

本の最初の方はずっと「おなかがすいた」という感覚について書かれている。
彼女は「おなかがすいた」という感覚は時間と共に増大していくと感じているようだが、普通はそういうものなのかな?
私は満腹中枢が死んでいるからなのか、一応「おなかがすいた」は感じなくはないけど、そのまま何も食べずにいればもう「おなかがすいた」という感覚は無くなるけどな。

 行動の選択肢はこれだけではない。「上司に申し訳なさそうに『昼食をとりに行ってきます』と言う」という行動ひとつとっても、「どんな声色で」「どんなスピードで」「どんな表情で」「どんなタイミングで」「どんな身振りをつけて」など、細かい所作のレベルまで数限りなく選択肢が生じる(37頁)

年中こういうことの連続だよねぇ。

 ただ、一度パターン化してしまったものについては、そのとおりにいかない場合にたいへん動揺し、混乱する。変わらずに繰り返される日常生活においては、やっとの思いで決めた具体的な行動の細部に至るまでのパターンを守り、迷わずに行動しているのだが、ほんの少しでも環境が変わるとそのパターンが適応できなくなり、登録していた「行動のまとまめあげパターン」がほどけてしまい、パニックを起こしたり、不機嫌になったり、固まって動けなくなってしまったり、具合が悪くなったりする。(41頁)

一般に「発達障害者は同じパターンが好き」みたいな言われ方をする。
「好き」とかじゃないんだよね。
パターンを崩すと、とてもつらいんだけど、そのあたりが伝わりづらいらしく「自分の思い通りに行かないと怒り出すワガママな人」ぐらいに思われたり。

 なぜ人びとは「その場にちょうどいい発声」をやすやすと決定し、話をすることができるのだろう。私の場合は、「どのくらいの音量で?」「どんな声質で?」「声の高さは?」「しゃべり方は?」「どのようなイントネーションで?」「どのタイミングで?」「呼吸との兼ね合いは?」「どんな表情をしながら?」といった大量の決定すべき具体的な項目が毎回立ち現われ、それらの所作をすべて手探りで調整し、「発声」というひとつの行動に結びつけなければならない。これがほんとうに、ため息が出るほど負担なのである。(143頁)

これは、そのまんまそうだな。

 私には音声言語が「聞こえてはいるが、意味の把握には自信がない」という状況が多々ある。(148頁)

あるね。
子供の頃は耳が悪いのかな?ってずっと思っていたし、今はテレビを見る時などにずっと字幕を表示させているし。

 『これまでなんとかギリギリできてきたが、これからはアシストしてもらう』ということを説明するときには、コツがあります。決して『自分は家事ができないのだ』と言わないことです。 − 中略 −
 だから『できるけどしません』と言う。これが大事です。嘘はついていませんし、むしろこっちのほうが正解です。自分だったら『自力でお風呂には入れるけど、しません。自力でしようとして二時間も風呂にとられていたら、それだけで一日が終わってしまう』と言うのです」(217頁)

確かに「できない」って言うと「今までできてたくせに!」ってなるよねぇ。
「できるけどしません」ってのも相手に伝わるように言うのって結構難しそうだけど。

この本は「不幸な思い出」が長々と書いてあるタイプのものではないので、読んでいて自分のつらかった過去を思い出して辛いみたいな心配はないかと思われ。
発達障害者と関わる状況の人は「こういうタイプの人もいます」っていうことで参考程度に読むのもいいかも。
障害特性上、内容が自分にピッタリ当てはまるみたいなタイプの人であれば、この本を使って周囲に自分のことを説明するのに使うのもよし。って感じかな。
私自身が、この本を読んで何か得るものがあったかっていうと・・・ないな。
うん。
美人の発達障害者が何か言ってるな〜ぐらいかな。

posted by ひと at 19:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 発達障害 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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