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2019年09月25日

2019年2月11〜22日◆勘違いさせる力(前編)

行きつけの盛り場が昔は六本木だったり青山だったりしたが、今は三軒茶屋になった武田先生。
時々(合気道の)部活の仲間と一緒にお店屋さんに入って食べたりする。
武田先生の部活仲間なので60〜70(歳)の人ばかりなのだが、一緒に飲み食いしていると周りが全部学生さん。
三茶は本当に学生さんの街。
あまり宣伝をするのはよくないのでコッソリ言っておくが、都内に3〜4軒の行きつけの本屋がある。
そこをグルグル回る。
みなさんもお気づきだろうと思うが、その街のその本屋さんというのは、その人たちに合わせた本を売るから、四つ本屋さんを持っていると違う種類の本が並んでいることに。
もちろん売れる本は決まっている。
でも、申し訳ないが、あれはまな板の上では取り上げない。
武田先生は「ちょっと変わった本のタイトルに惹かれて手を出す」ということがある。
これは学生街の三軒茶屋の本屋さん。
もう有名だから言ってしまうがTSUTAYAさんで見つけた。
おそらく店内にあふれた若者を狙ったプロモーション展開で、書棚に並べられているのであろうと思う。
それから東京駅でもこの本を発見した。
若い人、あるいはビジネスマンの気を引いているようで。
武田先生も出版したことがあるダイヤモンド社から出ている。
ここはハウツーものが得意。

人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている



副題は「え?まだ実力で勝負とか言ってるの?」という。
上から目線の本。
著者は「ふろむだ」なる謎の人物。
伝説のブログから書籍化したらしいということ。
書籍というよりも本を開くとビックリするがほとんど絵ばかり。
図で説明したり漫画で説明したりという。
ちょっと申し訳ないが、かなりズルイ作り方。
タイトルの「勘違いさせる力」というのが気になったのは、武田先生に今「本出そうか」という話があって。
まだ先だが。
その本のメインテーマが「誤解する力」。
「何だ。先、やられたかなぁ」と思ったのだが、シカトするのは簡単だが、やっぱりそれでは上等ではないので。
自分が今、企画している本とよく似たこの「勘違いさせる力」というのも取り上げてみようかなぁというふうに思う。

002.png

これ、上の線と、下の線は、「本当は」同じ長さだよね。
でも、下の線のほうが、長く「見える」。
(48頁)

かくのごとく人間はいとも簡単に錯覚をしてしまうということ。
そしてこの絵のあとに、ものすごいことが書いてあるのだが(実際には絵よりも前)経済政策の失敗から大変な不評の大統領となったジョージ・ブッシュ。
その日までは「共和党最低の大統領」という噂だったのだが、何とその日を挟んで支持率90%の大統領になるという。
(本によるとブッシュ大統領の経済政策への支持率が60%に上昇。経済政策以外は何パーセントかは書いていない)

 たとえば、2001年、9.11テロが勃発したとき、ブッシュ大統領への支持率が急上昇した。(8頁)

アメリカ国民がテロによって数千人殺されるという現場を目撃したその瞬間、無能だと罵っていた大統領を一斉に勘違いし始めた。
この勘違いすることによってアメリカは一つにまとまった。
更に勘違いの戦争をそこから始めるという。
ジョージ・ブッシュさんではないが、実力があるからではない。

たとえそれが実力によるものではなく、上司や同僚や部下や顧客のおかげで達成できた実績だったとしても、強烈な思考の錯覚を産みだすのだ。(13〜14頁)

 ここで重要なのは、「人々が自分に対して持っている、自分に都合のいい思考の錯覚」は、一種の資産として機能するということだ。
 本書では、これを「錯覚資産」と呼ぶ。
(14頁)

「錯覚」というのは貯金のきく「資産」であるという。

人に勘違いをさせて、それを資産として、道具として、自分の財産として使っていくんだ、という。
そういう発想。
実力があるからその人はそこにいるんじゃない。
その人は、人を「勘違いさせる力」があったからそこにいるんだ、と。
そういう目で見てみましょう、という。

本のタイトルはなかなか面白い。
「勘違いさせる力」
よく恋愛なんかは「勘違いから始まる」と言うので、それにちょっと通じるかなと思う水谷譲。
「勘違い大切だな」ということは思う。
だから「勘違いさせる力」というのは恋にも使える。

この「勘違いさせる力」だが、その勘違いを引き起こすためには「認知バイアス」、認知の偏りを利用すること。
これは視覚に盲点があるのと同じで、脳は自分の欠陥に気づかず世界を見る。
この盲点こそ心理におけるハロー効果だ。

「ハロー効果」の「ハロー(halo)」とは、あいさつではなく、後光のこと。
 なにか一点が優れていると、後光がさして、なにもかもが優れて見えちゃうような錯覚、というわけだ。
(54頁)

これはドキッとする。

「直感が間違える」というエビデンスがいくらあっても、客観的事実より、自分の直感のほうを信じる。人間とは、そういう生き物なのだ。(56頁)

仲間たちは正しいことを言う人よりも「気持ちのよい人」を友として選びたがる、という。
人間にはそういう、元々「勘違いする力」が備わっているんですよ、という。
このハロー効果、後光がさしているという効果をうまく使っているのが政治家の人たち。
続く職業の方が作家。
その次に芸能人、その次が起業家。
ZOZOTOWN。
ああいう方もハロー効果を使うのがうまそう。
あとはユーチューバー。
「彼のところは面白い」とかという、一個でも評判を取ったら、それを振り回すことによって、自分の背中に後光をささせる、という。
たった一つのハロー効果のみでうまく立ち回る人々、という。

武田鉄矢もハロー効果の人。
ただし、このハロー効果というのは一回でも汚染されると全部を無くす人がいる。
武田先生の場合は「未成年に手を出した」。
これはもう抹殺だろう。
もうタイトルが浮かぶ。
「金八先生」「児童に手」
その「手」のところが赤い文字か何かでなっていたりすると、もうおしまい。
つまりその人が持っているハロー効果の汚染。
それは確かにある。
(雑誌の記事の)タイトルを考えやすくていい。
だから文春がその手の人を。
芸能界はそんなもの。

人の心理の不思議さ。
ヒューマンウォッチで実験をしている。
これはアメリカの実験。
こんなむごい実験を日本でやったら大変なことになってしまうので。

 その実験では、老人ホームの老人を、学生ボランティアが何度か訪ねた。
 半分の老人は、その学生ボランティアが訪問する日時を、その老人が決めた。
 残りの半分の老人は、自分では日時を決められなかった。
 2ヶ月後。
 日時を自分で決められた老人は、そうでなかった老人に比べて、より幸せで、健康で、活動的で、薬の服用量が少なかった。
 この時点で研究者は研究を終了し、学生ボランティアの訪問も終わった。
 その数か月後、学生ボランティアの訪問日時を自分で決めた老人の死亡数が極端に多いと知らされ、研究者は愕然とすることになった。
(125〜126頁)

(本には書いていないがコネチカット州の高齢者介護施設アーデンハウスで1967年に行われた研究だと思われる)

 学生ボランティアに訪問してもらう日時を自分でコントロールできるということが、心身にどのような影響を与えるのか?−中略−
 しかも、ひとたびコントロールできた老人は、そのコントロールを失うと、酷く死にやすくなることがわかったのだ。
(127頁)

「オレはあの人物をコントロールしてるんだ」と思うことによって「生きがい」が発生する。
会社を辞めた方が急にしおれちゃうのも、部下がいなくなるからということなのだろう。
だからアゴでこき使ったり指導したり「オレが世話してるんだ」という自負というのが、その人たちの何かを支えているのだろう。

著者はこう説いていく。
一つ成功して、その一つだけで終わる人がいる。
その一つを利用して、そこから何をやってもうまくゆく人たちがいる。
この著者が言っているのは、一つの成功を「成功した」「それは何だ」ということを「自らが自覚しないとダメなんだ」ということ。
この著者はするどいことを言う。
とにかく一つうまくいったら何でもやるんだ。
それで二つ目がダメだったら何個もやる。
3、4、5、6、7、8、9、10・・・
人はうまくいった個数しか数えていない。
これは武田先生も思い当たる。
『母に捧げるバラード』で一つ目の成功でポォン!と躍り出て。

母に捧げるバラード (Live)



その後、『あんたが大将』みたいな中ヒットを出したと思ったら映画に行っちゃって。

あんたが大将



最優秀助演男優賞なんか貰っちゃって。

幸福の黄色いハンカチ デジタルリマスター2010



それでテレビの仕事(『3年B組金八先生』)がコロンと来たら主題歌で『贈る言葉』。

贈る言葉



ポン!100万売れました。
「どんと来い」と言う人がいる。
武田先生も『母バラ』の後、たった一年なのだが、貧乏のどん底で毎日思い出せるぐらい辛い日だった。
武田先生も奥様が妊娠した時、喉まで出かかった。
(純烈を)お辞めになった人と同じ言葉が。
あの人たちみたいなことを思わず言いそうになった。
もう育てていく自信がない。
奥様が武田先生を誤解させる。
「赤ちゃんは大丈夫よ」「何で?」「食べないでしょ?そんなに。牛乳飲ませとけば大きくなるんだから」
武田先生は「そういやそうだよな」と思った。
でもその間のそこまで思いつめた労苦の果てに『あんたが大将』を思いついて。
全ての友と別れて新しいプロダクションへ。
それはもう大ゲンカ。
武田先生のことを「裏切り者」と呼ぶ友もいた。
そこから本当に光がさすように『(幸福の)黄色いハンカチ』が。
でもその間、武田先生を「連続ヒットで映画まで行って『金八』につないだ」とか言いう人がいる。
それも「ハロー効果」だろうが。
でも、一つでダメ、次に何かやるということがいかに大事か。

(番組冒頭の)街頭インタビューの中で女性が「世間からのバイアス」というのがあるが、今、まかり通っている「善」「よきこと」というのはバイアスから生まれている。
大変ぶしつけな言い方だが。

この間、故郷に帰って一杯酒盛りをしていた。
ちょっと先輩が入院なさるので、入院を励ましで集まって一杯飲んでいた。
その先輩が「武田、車運転するか?」「はい」「今でもしてんのか?」「はい」「武田も酒気帯び運転だけは気をつけろよ」とおっしゃるのだが。
よく考えたら、この人は武田先生たちが若い時、まだ酒気帯び運転に福岡県が鈍感だった時、飲んで運転して車を忘れた人。
お酒を飲んで車を運転してどこかに停めたらしいのだが、どこに停めたのかわからなくて。
それで隣の人が「○○さん、お宅の車は路面電車の安全地帯に乗り上げて停められてますよ」。
「オレは驚いた。拾いに行ったよ」と言いながら。
故郷に帰るとそんな事をつくづく思う。

 2003年に発表された記事によると、「自分が死んだときに、臓器提供する」と意思表示している人の割合は、次のようになる。−中略−
ドイツ 12%
スウェーデン 86%
オーストリア ほぼ100%
デンマーク 4%
−中略−
 正解は、「デフォルト値の違い」だ。
 臓器提供への同意率の高い国は、「提供したくない人」がチェックを入れなければならない。
 チェックを入れない人は、臓器提供するとみなされる。
 同意率の低い国は、その逆なのだ
(164〜168)

 人間がデフォルト値を選んでしまう傾向があるのは、「判断が難しい選択」のときであることがわかっている。(168頁)

だからドイツ、スウェーデン、オーストリア、デンマークと並べたが「あ、この国は優れている」「あ、この国はダメだ」そんなふうに思ってはダメ。
書類の書き方でこれほどの差が出るワケだから、ある数字を見たにしても、まずは感情を除いておいて、もっと情報がないか?と探すようなクセを付けないとアナタは成功しませんぜ?ということをおっしゃっている。
人間は確かに数字を示されるとすぐに信用するところがある。

人間は狭いヒントを与えられると、たちまちその狭いヒントだけで世界を判断していくという。
そういうのが勘違いすることになりますよ、と。
この本は「どうせだったらば人に勘違いさせる人間になりましょう」ということを説いたということ。
「人生は実力よりも勘違いさせる力だ」「実力なんか関係ない」という著者ふろむださん。

 たとえば、アメリカで行なわれた実験。
 その実験で、被験者は、次のような質問をされた。
 スティーブという人がいる。
 スティーブの性格は、次のようなものだ。
・他人に関心がなく、現実世界にあまり興味がなく、物静かでやさしく、秩序や整理整頓を好み、細かいことにこだわる。
 スティーブは、図書館の司書でしょうか?
 それとも、農家の人でしょうか?
(205〜206頁)

ほとんどの被験者は、「スティーブは司書」って答えたんだ。
 でも、アメリカでは、司書に比べると、農業従事者のほうが、はるかに多い。
 司書1人に対して農業従事者は20人以上いる。
(208頁)

確率的に農家の人の方の可能性が高いのだが。

1.人間の直感は、「思い浮かびやすい」情報だけを使って、判断する。
2.人間の直感は、正しい判断に必要な情報が欠けていても、情報が欠けているという感覚を持たない。
(213頁)

ニュース番組、あるいはニュースバラエティ等々に遭遇した場合は、みなさん気を付けましょう。
隣国の半島の国なんかもグシャグシャに国民感情がなっているが。
武田先生は福岡でレギュラー(番組)を持っている。
ホテルのエレベータに乗ると乗ってきた6人が全部半島の方。
福岡は多い。
でも半島の国はもの凄く日本のことをお嫌い。
なのに、釜山からの高速船からいっぱい降りてくる。
何か違うみたいで。
だから韓国、あるいは北朝鮮を考える時、東京という政治の舞台での対韓国、対北朝鮮への感情と、福岡の人から見た対韓国、対北朝鮮の見方という。
その地方の目をもう一つ持っていないと大きく勘違いすることがある。
武田先生自身も反省している。
福岡の人はアジアチック。
全部、国名の下に「さん」を付ける。
「『韓国さん』が来てですね」「中国の『上海人さん』でした」みたいな。
「さん」「さま」を付けるという。
そのものの言い方に一部の皮肉もない。
東京のラジオ、あるいはテレビで聞くと、ずっとケンカしているみたいな感じがする。
福岡に行くと、全然薄らぐ。
それとPM2.5。
この間聞いたら「ちょっと減ってきた」と。
福岡の人はわかる。
わかるぐらいの近さ
美輪明宏さんは子供の頃、上海の映画館に行っていた。
「『風と共に去りぬ』を見た」とおっしゃっていた。
そんなもの。
だから釜山なんていうのは大阪よりも近いのではないか?
高速艇で3時間かかるかかからないか。
だから距離の近さがものの見方の違いになっているとすれば、そういう意味でぜひ情報が少ない場合は一旦感情を保留しておいて、という。

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posted by ひと at 19:49| Comment(0) | 武田鉄矢・今朝の三枚おろし | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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