ただ単にひっかけているだけだが、「匂い」を三枚におろそうかなと。
ビル・S・ハンソンさんというアメリカの方。
(本によるとスウェーデン生まれで、ドイツの研究所の所長)
その方が亜紀書房からお出しになった。
武田先生達団塊の世代、70(歳)を超えた世代にとって気になる臭いといえば「加齢臭」。
ついひと昔前は老人のこの特有の臭いに、武田先生自身が若かったので眉をひそめていたが、しかし今、その年になってその臭いに対しては当事者となった。
全部話すが、「いい番組を作っている人だ」というのでテレビで賞を貰って新聞社に呼ばれて。
新聞社に集まって賞を貰うような人はみんなご高齢の方が多い。
「万葉集の研究〇十年」とか。
そういう人に並んで若い四十代半ばぐらいの武田先生が席に着くと、やはり臭いがする。
その時に「ああ〜これが老人の臭いだなぁ」と思っていた。
さあ、年が巡ってその年になる。
(武田先生が自宅にいると)突然悲鳴が風呂場から上がる宵の口。
「出歯亀でも出たのか」と思って駆け下りて「どうした?」と言ったら奥様が「何、この臭い。ここで腐ったものでも洗った?」。
厳しい表情。
「いや、そんな変なもの、洗ってないよ」
自分ではわからない。
奥様が「何よ、わかんない?この臭い」とかと言ってフっと武田先生に向かって質問。
「さっきまで風呂に入ってた人誰?」
「誰?」と言われても、(家には)二人しかいないから武田先生に決まっている。
そうしたら奥様は冷たい視線を武田先生に向けて「よく、洗って」。
困ったことにその現場でいくら空気を吸い込んでも申し訳ないが、武田先生は武田先生から腐ったような臭いを感じない。
不思議な臭い。
武田先生にも小さな事務所だがスタッフが数名いて、車で移動中になにげなく「俺、臭いか?」と訊いた。
そうしたらスタッフが「そんなことはないですよ」「自信を持ってください」と言われて。
奥様に反抗の材料として「俺、スタッフに訊いたけど俺のこと『臭くない』って言ってるよ」とかと言ったら「まだ気づかないの?忖度よ」と声をねじって言われて。
それで戦い。
やはり奥様を責めるワケではないが「アナタ臭〜い」と言うのは差別用語。
男でも傷付く。
それはもう家族だから指摘できるというのもあると思う水谷譲。
「臭い」というのは家族でもキツイ。
長年、武田先生と狭いスタジオで仕事をご一緒しているが、一度も(臭いとは)感じたことがない水谷譲。
「あ、この人はきっと小綺麗にされてるんだろうな」と思っていた。
だからちょっと武田先生も油断していたが、ある日突然やってきた。
それが何か?
和室で寝ている武田先生。
朝、起きてコーヒーを点てて「布団ぐらい畳もうかな」と思って再度、日本間の扉を開けた瞬間「クサい」。
機械油みたいな
思春期の脂とは違う。
武田先生は長いこと先生役をやっていたから、学生服の男共は臭い。
特有の思春期の臭いがある。
それとは違う。
もっと機械臭くさい臭い。
「これか!」「なるほどこれは臭いなぁ」と思った。
その日にまた凄いもので、本屋さんで見つけた本がこのビル・S・ハンソンさんの「匂いが命を決める」というタイトルの本。
この人は生物行動学の方で「匂いによって生き物の神経がいかに進化したか」これを追うという。
人は非常に視覚的な存在なので、ほかの感覚を忘れがちだ。なかでも嗅覚はとくに忘れられやすい。(4頁)
人の生活の重要な場面の多くが、嗅覚に大きく頼っている。(4頁)
何で匂いが生き物にとって重大かという。
鼻はどこにあるか?
顔の真ん中。
それぐらい大事だということ。
「匂い」というのが実は感性の主役なんだ、という。
人が、自分が放つごく自然な匂いを隠したがり(4頁)
珍しい生き物らしい。
自分の痕跡である臭いを消そうとする生き物は生物の世界で人間だけだという。
匂いについて。
これはちょっと回りくどいがワリと遠回りしながらいく。
人間に関する匂いだけではなくて、生き物全体にとって「匂いとは何か?」という。
ここからいきたいというふうに思う。
取り上げるのはまずは蛾。
フランスの昆虫学者ジャン・アンリ・ファーブルは、自宅のカゴに入れていたメスの蛾に多数のオスの蛾が引き寄せられているのに気づき、そこに匂いが関わっているのではないかと考えた。(4頁)
蛾のオスはフェロモンを−中略−ほぼ触角だけで感知する。(167頁)
蛾のオスは、もっとも感知しやすい匂いに対する人の感受性の少なくとも一〇〇万倍の感受性で、メスの香りを検知することができる。(168頁)
犬のオスは盛りのついたメスにはとくに追従的だ。発情期のメスの匂いを嗅ぎつけたオスは、その匂いをずいぶん遠くまで追っていく。(87頁)
ある種の化合物に対する犬の閾値は、人の閾値のおよそ一〇〇〇倍から一万倍近いと予測している。(82頁)
サケが、自分が生まれた川の支流に産卵のために戻ってくるときには、匂いを頼りに帰路を探し当てる。(5頁)
鳥は嗅覚をもたないか、もっていても非常にお粗末なものだと長いあいだ考えられてきた。しかし現在では、そうではないことがわかっている。ハゲワシは、はるか彼方の動物の死骸が放つ特徴的な匂い分子を嗅ぎ取ることができる。一方、アホウドリなどの海鳥は、匂いを手がかりにプランクトンが豊富な場所、つまり彼らにとって良い漁場を探し当てる。(5頁)
海表に生息する微小な植物プランクトンが放出するガス、ジメチルサルファイド(DMS)の調査を行なっていた。−中略−この植物プランクトンをオキアミが食べること、そしてその際にDMSが大気中に放出されることを知っていた。−中略−DMSは、間違いなくアホウドリを餌へと導く手助けをしていた。(99頁)
不思議だと思った。
広い広い海でバーっと飛んでいた魚(「鳥」と言いたかったものと思われる)が魚めがけてファーッと降りてゆく。
海面にいる魚が「上から見ればわかるか」とかと思うのだが、海は広いから。
だから匂いの探知で餌場を探すという。
植物も匂いを感知でき、匂いのメッセージを送り合っているという事実かもしれない。−中略−蛾の幼虫に攻撃された植物は、放出する揮発性物質を変化させる。あらたに放出された匂い分子は、−中略−食害されていることを近くにいる同種の仲間に知らせて、その草食動物が彼らのところに向かう前に防御態勢を整えられるようにすることだ。もう一つは、攻撃者の天敵を呼び寄せて「助けを求める」ことである。(6〜7頁)
(番組では植物を食べている虫の天敵を鳥と明言しているが、本にはそういった記述はない)
では加齢臭の謎だが、なぜ武田先生は自分の加齢臭に気が付かないのか?
こんなことを言っては何だが、そういう時もあった。
若い時は武田先生の胸に顔をうずめて奥様が「はあっ」と言いながら深いため息を。
あれから50年、胸(に顔)をうずめるどころか近くに来たら「クっさ〜い」。
この変化は一体何であろうか?
匂いと味は、どちらも化学的情報でできている。−中略−空中の分子は匂いを感じさせる。何かが匂いを発するためには、空中に浮遊できるほど軽い分子を放出する必要がある。砂糖の粒が匂わないのは、分子が重すぎて舞い上がれないからだ。一方、レモンが放つ分子−中略−空中に漂って簡単にわたしたちの鼻まで届く。(6〜7頁)
人の嗅覚受容体が、−中略−四〇〇種類近くある(8頁)
ここが匂いを受け取って脳に送り、「よい」「悪い」或いは「この匂いは思い出のあの匂い」とか「嬉しかったあの匂い」「悲しかったあの匂い」等々過去の記憶と匂いが結びついているという。
これはわかる。
冷房の利いた新幹線の中の匂いとか「家族で夏、旅行に行ったな」みたいなことに繋がってちょっと嬉しくなる水谷譲。
運動会の昼近く、父兄が弁当を用意しているテントの下で湯がいた栗の匂いがする。
「ああ…栗、誰か持ってきとうばい。団地の子やねぇ」とか。
商店街の子は栗なんか母はやってくれない。
(昼食は)握り飯だけで。
だからプーンと栗の匂いがすると「秋口の運動会の匂い」として・・・
こういう「匂い」と「思い出」が結び付いているという。
動物も同じ。
人間が400個だがネズミは1000個、カブトムシは500持っている。
「あ!スイカの匂い」とかと。
生き物の体の中には匂いで情報を伝えようとする生き物の知恵が隠れているワケで。
匂いが生物の世界にどのくらい影響を与えるかというのをこのアメリカの研究者、ハンソン博士が本の中に書いてある。
プラスチックの生産量は増加の一途をたどった。今では、世界全体の年間生産量は三億六〇〇〇万トンと推定される。それがなぜ、嗅覚にとって問題なのか?(29頁)
外洋鳥の場合、彼らの嗅覚の重要な特徴はジメチルサルファイド(DMS)の匂いを嗅ぎ取れることだ。これは、植物プランクトンが動物プランクトンに食べられるときにしばしば放出される。押しつぶされた植物プランクトンから出る物質だ。つまり鳥たちにとって、この硫黄ガスの存在は、付近に大量の食べ物があることを示す証拠なのだ(29頁)
プラスチックは、海に漂ってから数ヵ月もするとDMSを放出するようになる。そして自然界の生物たちに、これは食べられる物質だと誤解させてしまう。人類は年間およそ八〇〇万トンのプラスチックを海に流しており(30頁)
大海原で、DMSの匂いを手がかりに食料を探し当てる能力を発達させてきたのは鳥だけではない。アザラシやクジラも同じ方法で食糧を見つけており−中略−同様のプラスチックによる被害にさらされている可能性が高い。赤ちゃんガメについてのある調査では、この小さな生物のお腹の中にプラスチックがある割合が一〇〇パーセントだった。(30頁)
とにかく海に生きる全ての生き物にプラスチックの匂いが大変大きな危険を与えているんだ、と。
「匂いが生き物の行動に間接的ながらも、もの凄く大きな危険を及ぼしているんですよ」という。
次に、人の匂いも人の行動に大きな影響を与える。
わたしたち自身の匂いについて考えてみよう。−中略−世界最大の産業の一つは、人々が「自分は生まれつき嫌な匂いがする」と信じていることによって利益を得ている。香水や調香師は、今から何千年も前から−中略−存在していたが(33頁)
これは何で自分の臭いが嫌いなのか謎だそうだ。
臭いといえば何かひっかかる。
私達が三年以上に亘って苦しんだあのパンデミック。
Covid-19感染症に罹患した患者の多くに見られる症状の一つが、味覚と嗅覚の消失だ。(36頁)
もしかしたらコロナというヤツは特有の匂いがあって、それで鼻をやっつけるのではないだろうか?という。
匂いというものの謎に挑みましょう。
この本は320ページある。
今まで水谷譲にお話ししたが、これが37ページ。
もう拾うのが大変。
とにかく鼻、匂いというのは私達が思っている以上に巧妙に私達を動かしている。
味覚は私達の重要な話題。
味覚は五種類の食味−中略−からできていて、−中略−一方の嗅覚は四〇〇種あまりの受容体によって化学的な情報を詳細に分析し、適切な食べ物や飲み物、その他の価値あるものに近付いていいと判断したり、逆によくないものに近付くのを思いとどまらせたりする。(42頁)
匂いがわからなければ食事や飲酒を、あるいは生活全般を楽しめなくなるからだ。嗅覚を失った人々はしばしば、自分の衛生についてひっきりなしに心配するようになったり、恋人の官能的な匂いを感じられなくなったりする。(42頁)
そうやって考えると実は嗅覚が人間を動かしているという。
これは武田先生の余談。
前にお話したこと。
2019年から世界の動きをピタっと止めて政治経済等にもの凄い重大な影響を与えたコロナ、Covid-19。
匂いと味がわからなくなると有名。
武田先生は(ワクチンの)注射を打った時にもの凄い吐き気を感じた。
そうやって考えるとコロナも実は後ろ側に匂いがある。
とすれば、先に結論を言ってしまうが、PCR検査なんかやめて成田の探知犬みたいなもので犬の方がわかるんじゃないか?
それでコロナの匂いでワンワンワンワン!と吠えるとコロナなんか一発。
コロナが一番恐れているのは犬なのかも知れない。
もの凄い結論になった。
コロナウイルスは−中略−嗅覚はやがて戻ってくる。しかし患者のなかには、病状が回復してから何ヵ月過ぎても嗅覚が戻らない人たちがいる。(45頁)
つい最近、イスラエルで興味深い事例が公表された。あるウイルスに感染後、一二年間完全に嗅覚消失状態にあった女性が、Covid-19に感染後、嗅覚を取り戻したというのだ。この事例については記録が不十分だったため、さらなる研究を進めることはできなかったが(46頁)
とにかくこの著者の方、ビル・S・ハンソンさんは鼻の奥にある匂いのセンサー、これを取り上げていて
人以外の哺乳類では、フェロモンは主に鋤鼻器(VNO)、−中略−特殊な嗅覚器官で検知される。犬も豚も、馬もネズミも、みな高性能の鋤鼻器をもっている。(49頁)
昔、人間も相当匂いに力を注いでいたのだが、だんだん使わないものだから退化しつつあるという。
ちょっと視覚に頼りすぎている。
エストロゲン様物質(女性の尿に排出されるエストロゲンに似た物質)の匂い、あるいは化合物アンドロステノン(豚の主要な交配フェロモンであり、人の汗に分泌されるテストステロンの派生物でもある。男性の腋汗に含まれることでよく知られる)(51頁)
男性では視床下部がエストロゲン様物質に反応し、女性の場合はアンドロステノンの匂いを嗅いだときにより活性化することがわかっている。−中略−人のフェロモンだと推定される同一の物質が、レズビアンの女性と異性愛者の女性では異なる性的興奮を誘発し、同性愛者の男性と異性愛者の男性についても同様のことが認められる。(51頁)
赤ん坊には母乳をあたえている母親の乳首の周囲の皮膚から分泌される匂いが、新生児の生存本能を──吸飲反射を誘発しているのではないかと考えられる。−中略−乳首の周囲の匂いは一般的なフェロモンであると考えられる。(53頁)
赤ん坊の頭の匂いは、母親の脳内に報酬回路を作り出す(54頁)
これが「ネコ吸い」。
ネコを大好きな人が「安らぐ」といってネコの腹に顔をうずめる。
あれが赤ちゃんの頭から出てくる匂いと同じ。
だからほっとする。
それで男は女の乳から出る匂いと、赤ん坊の頭から出る匂い、これが混じった匂いが好き。
こんなのは面白い。
DNAでずっと繋がっている。
匂いというのは実に微妙なもので、Tシャツの匂いで80%の確率で男女を嗅ぎ分けられる。
(Tシャツを使用した実験は別のもの。男女を嗅ぎ分ける実験はTシャツではなく両腋に付けたガーゼ)
女性被験者が、男性たちが身に着けていたシャツの匂いを嗅ぎ、付き合いたいと思う男性のシャツを一枚選ぶように求められた。すると女性たちは自分のMHC遺伝子とは異なるMHC遺伝をもつ男性のシャツを選ぶ傾向があった。しかし経口避妊薬を服用中の女性たちは正反対の反応を示し、自分と似たMHC遺伝子をもつ男性のシャツを好んだ。これはおそらく、経口避妊薬が女性の身体を妊娠中と同様のホルモンの状態にしたせいで、そのような状態のときには、女性は自分を支援してくれそうな、自分に似た近縁者にそばに居てほしいと考えるのだろう、と研究者は推測した。(63頁)
匂いを巡る長い旅。
武田先生は昭和に生まれた世代だが、女の子で近寄っていくと石鹸の匂いがしたりすると、もの凄くホッとしたことがあるし
もう名前を言ってしまっても大丈夫だと思うが小学校の同級生で、オオガ君という頭のいい子がいた。
オオガ君のお母さんは綺麗で、武田先生の家とは違う。
武田先生の家は野生の王国みたいな「狼少年ケン」みたいな家庭だったのだが。
オオガ君ちは凄く静かでお母さんは京マチ子さんみたいな、お父さんは大学教授で。
そのオオガ君の家に遊びに行って台所からオオガ君を呼ぶ。
貧乏人の子、鉄矢は玄関は悪いと思って、勝手口に行って「オオガ君遊ばんね」とかと声を。
そうすると「はいはい」。
オオガ君ちのお台所の匂いがファ〜っと表にこぼれてくる。
これがいい匂いで。
果物の匂いがする。
もう、オオガ君ちがめっちゃうらやましかった。
武田先生の家は茶の間にミカンでも2、3個置いておけばもう何分かで無くなる。
オオガ君の家は果物入れがあって、そこにブドウ、リンゴ、バナナ、ミカンが盛ってある。
セザンヌの絵みたいに。
それがうらやましくて。
石炭を燃やす匂いというのがある。
給食を作るところの匂い。
あれはいいと思う武田先生とそうでもないと思う水谷譲。
武田先生達は夕方の冬場、5時とか6時になるとお風呂を沸かす家庭があって、そこの煙突から煙が出て、それが石炭だった。
だから学校帰りの石炭の匂いは何か切なく思い出す。
それから何十年かして石炭の匂いがしなくなった日本から中国・北京に行った時に石炭の匂いがして「懐かしいなぁ」と思ったことがあった。
灯油の匂いは今でも好きな水谷譲。
アラジンのストーブか何かを使っていた時の懐かしい・・・
その匂いを嗅ぐだけでちょっと暖かくなってくる水谷譲。
魔法のランプみたいな形をしている。
灯油よりも武田先生は石炭。
石炭よりも練炭、豆炭というのがあって。
あれもいい匂いだった。
餅を強火で練炭、豆炭で焼くとこれが美味かったという思い出がある。
決して正確な実験として報告されているワケではないが、匂いというものが男・女、お互いに恋をして惹き合う時にとてつもなく大きな影響力を持って。
細かなデータは無いが。
匂いというのが感情にも大きな影響を持っていて「この匂いだったら近くに行け」「この匂いだったら逃げよ」という。
人が匂いをどのように分類するかを調べた。−中略−心地よい匂いか不快な匂いか──だった。(69頁)
これは人類共通のしくみとして人間の体の中に残っている。
だから匂いについては言語表現が多い。
「あいつクサいぞ」「何か臭うな」「あの野郎、俺のこと鼻であしらいやがった」
日本人にはちょっとわかりにくい。
だが慣れるとそうなってしまうのか?
カビの匂いをわざわざチーズに付けるワケだから。
それで「美味い」という人がいるワケだから。
匂いというのは人によって地域によって千差万別
「いい匂い」「悪い匂い」というのはそう簡単に線が引けないという。
それからこのビル・S・ハンソン博士が驚いて書いておられるが、アジア、特にインドシナ半島、インドにかけてはトラの匂いがわかるという人がいる。
(本には「トラを引き寄せる血の匂いを言い表す言葉がある」と書いてあるが、それを曲解したものと思われる)
これはやっぱりトラに危険な目に遭う可能性があるというエリアではトラの匂いは過敏な人が「トラが来てる」と叫んだりするらしい。
よい匂いや、どちらともいえない匂いのほとんどに対しては、慣れて反応しなくなるものなのだが。(68頁)
ちょっと面白いことをやってみようと思うのだが、これは時間がかかるので来週のことになると思うが、月曜日、実験でやりたいと思って。
味を決定しているのは、実は味ではなくて匂いではないか?実験をやってみたいと思う。